白木位牌から本位牌へ、戒名の入れ方について

カテゴリ:【 位牌

白木の位牌は葬儀の際に用いる仮の位牌ですので、四十九日までに本位牌を作らなければなりません。
葬儀のときに祭壇にあった白木位牌にかわって本位牌(塗り位牌や唐木位牌)をお祀りします。

白木位牌に記されている文字全体を戒名と呼んでいますが、もともとは生前の俗名や行いをもとに経典にちなんだ二文字で表されます。

この二文字に院号・道号・位号などが加わり戒名と呼ばれ、浄土真宗では法名、日蓮宗では法号とも呼ばれています。 
ここでは、白木位牌から本位牌に替えるときの戒名の入れ方(ここでは名入れと呼びます)について詳しくご説明します。

仮の白木位牌から本位牌へ

一般的に三十五日や四十九日の忌明け法要時に白木位牌から本位牌への魂入れかえを行い、魂を抜いた白木の位牌はそのまま寺の住職が持ち帰ってお焚き上げ供養を行います。

本位牌への名入れ(戒名入れ)は機械彫りなどであれば1週間程でできますが、手彫りで時間のかかるものですと2週間~3週間かかる場合もありますので早めに仏壇店に依頼しましょう。

インターネット通販では早ければ2~3日程度、しかも安価で本位牌へ移し替えることができる仏壇ショップもあり、仕上がりにもまったく問題はありませんので、利用してみてはいかがでしょうか。

※浄土真宗では原則位牌を用いず、代わりに法名軸や過去帳に記します。

本位牌に入れない文字があります

白木位牌に書かれた文字には本来の戒名の他に、冠字や上文字、置字、梵字などが書かれている場合があります。
宗派によって異なりますが、これらは戒名を構成する文字ではなく、省略する場合がほとんどです。

冠字 戒名の上にある「空」「妙法」「法名」など
上文字 「新円寂」「新帰元」など。
置字 戒名の下にある「霊位」「位」など。
梵字 それぞれの宗派の本尊をあらわすもの。

真言宗は大日如来の仏弟子となったことをあらわすために戒名の上にある「ア字の梵字」と下の「位」を記入しますが、通常、本位牌を作るときは、冠字や上文字、置字、梵字などは省いて戒名だけを位牌に記入します。

名入れ(戒名入れ)の仕方

位牌には一般的に戒名、没年月日、俗名(生前の名前)、享年または行年を入れます。

俗名とは生前の名前で、享年とは亡くなった時の年齢で行年とも呼ばれます。
戒名の文字は昔の漢字が使われることも多いので白木位牌の文字を正確に伝えることが重要です。

※例:亡くなった年齢が満68歳の場合=享年70歳、行年68歳
上記の通り、享年は数え年、行年は満年齢というのが一般的ですが、享年を数え年ではなく満年齢で表すこともあります。

★豆知識★
享年とは・・・人が「天から享(う)けた年数」という意味で、この世に存在した年数です。
行年とは・・・享年と同じ意味で、娑婆で修行した年数という意味があるようです。

1名での名入れ

表面に戒名と没年月日を入れる場合

表面・・・中央に戒名、年を右側、月日を左側に入れる
裏面・・・中央に俗名、左側に享年または行年を入れる

表面に戒名だけを入れる場合

表面・・・中央に戒名を入れる
裏面・・・中央に俗名、右側に没年月日、左側に享年または行年を入れる

夫婦連名での名入れ

表面に戒名と没年月日を入れる場合

表面・・・右側から夫の没年月日、夫の戒名、妻の戒名、妻の没年月日の順に入れる
裏面・・・右側から夫の享年または行年、夫の俗名、妻の俗名、妻の享年または行年の順にを入れる

表面に戒名だけを入れる場合

表面・・・中央右側に夫の戒名を入れる
裏面・・・右側から夫の没年月日、夫の俗名、俗名の下に夫の享年または行年、妻の俗名、俗名の下に妻の享年または行年、妻の没年月日を入れる

※地域によっては裏面の夫と妻の俗名を左右逆にすることもあります。

俗名での名入れ

無宗教などの理由で戒名がない場合は、一般に「○○○○之霊位」というように生前の名前を表面に記入します。
裏面の俗名は省き、没年月日と行年(享年)については戒名がある場合と同様に入れます。

生前戒名(逆修牌)の名入れ

生前に授かる戒名を生前戒名といいます(逆修牌ともいう)。
戒名の下から3文字目と4文字目を朱文字で入れておき、亡くなったら金文字を入れます。

名入れの手法には2種類あります

位牌の名入れの手法には、彫り文字と書き文字の2タイプがあります。

彫り文字・・・整った文字をしっかり入れることができる
書き文字・・・味わいのある文字を入れることができる

宗派による決まりごとはありませんので、どちらか好みの方を選ぶことができます。
すでに位牌がある場合は同じタイプに揃えることが多いです。

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