真言宗の本尊と脇侍(脇掛)について

カテゴリ:【 真言宗

真言宗は唐に渡った弘法大師とも呼ばれる空海によって、密教を理論・実践とも大成させて開かれた宗派です。
現在では、高野山真言宗、東寺真言宗、真言宗豊山派や真言宗智山派などの宗派に分かれるものの、主要な16派の18の総大本山を真言宗と呼ぶことが多くなりました。

真言宗の本尊や仏壇に祀る際の選び方などについて、真言宗の教えの特徴とともにご紹介していきます。

今の体のまま仏になる即身成仏を目的に修行

中国から密教の後継者として教えを受け継いだ空海は、秘教的・呪術的要素を多く含んでいる密教を基盤に教理と行法を新たに整備し、日本独自の真言密教を打ち立てました。

この真言密教で最も篤く崇められている仏は大日如来であり、あらゆる仏、一切の生命や森羅万象は大日如来を根源として現出し、真理そのものだとしています。

密教の教えの画期的な点は、そのほかの仏教が果てしなく長い修行の末に成仏へと至るのに対し、密教は輪廻を繰り返すことなく現世でこの肉体を持ったまま一気に仏(大日如来)の境地に至ることが可能であること。

この教えを「即身成仏」と呼び、「身、口、意の三密」(手に印契を結び、真言を唱えて、心を集中させること)を加持すれば、速やかに仏になることができると説いたのです。

真言宗の本尊と脇侍について

本尊 大日如来
脇侍(脇掛) 弘法大師・空海、不動明王(または興教大師・覚鑁

真言宗寺院には大日如来、薬師如来、阿弥陀如来、観音菩薩、文殊菩薩、不動明王などさまざまな本尊が祀られています。

諸仏、諸菩薩、諸明王も大日如来の徳のひとつを表していると考えられているからであり、すべてを同じように崇拝しています。

仏壇に祀るための選び方と並べ方

真言宗の場合、本尊は「大日如来」を祀りますが、ご自身が信仰している仏様があった場合は、そちらを祀っても問題ないということになっています。
真言宗のお寺でも、本尊が「大日如来」ではなく「阿弥陀如来」を祀るというお寺もあるほどです。

これは全ての神仏は「大日如来」が姿・形を変えた化身と考えているためであり、各寺の本尊も観音様、お不動様、お地蔵様とさまざまです。

一般家庭の仏壇においては、中央に「大日如来」を祀り、向かって右側に「弘法大師」を、向かって左側に「不動明王」もしくは「興教大師」を祀るのが一般的です。

真言宗豊山派でも中央に「大日如来」、向かって右側に「弘法大師」、左側に「不動明王」が一般的ですが、右側に「光明曼荼羅」を祀ることもあります。

真言宗智山派では「大日如来」を中心に向かって右側に「弘法大師」、左側に「興教大師」を祀り、「弘法大師」にかえて「不動明王」、「観世音菩薩」、「地蔵菩薩」を配すこともあります。

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